あなたの能力を活かせる

作業がたくさんあるため あなたに合った作業が みつかります

エスプリの提供する生産活動は、パン屋を運営していくにあたり必要な作業が網羅されています。

利用者様の「できる」部分を見つけ、個々に合った作業を提供できるように、そして「できる」部分をさらに増やしていけるよう支援していくために、事業所独自の「アセスメントシート」を使用し、基本的なルール・社会生活・作業態度・作業遂行力などを項目別4段階で評価していきます。その評価を基に、その利用者様の課題が障害特性なのか経験不足なのか認知の歪みなのかなどを分析していきます。

また、必要に応じて、個別で更に詳しく「アセスメント情報・分析シート」というものを使用することもあり、面談時などで聞き取った本人の希望や願望、さらに観察場面から情報を収集し、分析ののち、、仮説を立てて検証し適切な支援がなされているか判断しています。

パ
①生地の材料を図る ②生地をミキサーでこねる ③生地の空気を抜く ④生地を同じ重さに分ける ⑤生地を丸める ⑥具材をつつむ・のせる ⑦卵を塗る・トッピングをする ⑧オーブンにかける ⑨包装する ⑩賞味期限シールに日付スタンプを押す ⑪賞味期限シールを貼る
①パンを店に並べる ②お客様が買われた品物を袋に入れる ③レジ打ちする ④店舗の掃除をする
①道具を洗う・水気をふき取る・保管場所に戻す
①作業台を拭く・消毒する ②床のごみを取り除く・水ぶきをする・水気をふき取る ③トイレの清掃をする
①ユニフォーム等の洗濯物を洗濯機にかける ②洗濯物を干す・たたむ・保管場所に戻す

その他、アクセサリー作りや、封入作業、畑の作業、食品工場の職場体験があります。

支援事例

パンの生地伸ばしに課題がある利用者様の事例を紹介します。

  • A様(20代・女性)
  • 愛の手帳4度
  • 軽度知的障がい

事例を詳しく見る

―課題―

  • パンの生地伸ばしが基準より大きくなったり小さくなってしまう。
  • 見本を提示してしてもらっても生地の大きさや丁度よさの感覚が分からない。

―支援内容―

【治具を活用して最後まで自分で作成できるように支援する】

ピザパンを作成する時の手順は生地を適正な形まで伸ばし、ピザソース、各種野菜を順番通りトッピングして完成します。問題は完成後、大きくなったり、小さくなってしまわないように最適な生地伸ばしがポイントとなります。

利用者様のピザパン作成トレーニングでの一幕です。くり返し職員が見本を提示しても、A様は同じように作成できず、生地伸ばしが不安定です。なぜなのか?真剣に取り組んでいないのか?本当に作ることができないのか?と指導員同士で検討した結果、見本をくり返し提示しても理解できないのは『視空間認知=目で見た情報を脳で処理して、空間の全体的イメージを描くこと』に少し課題があると評価を行いました。

そこで、プラスチックの板版をピザパン生地の大きさにカットして、そのカットした部分に生地を置いて生地伸ばしを行ってもらいました。結果として、見事に最適な大きさで生地伸ばしができ、笑顔も増えていきました。現在では、むずかしいデニッシュ系のパン作成もできるようになり、週1回のパン職人さんのパン教室に参加し、さらなる技術向上に励んでいます。

障害特性をふまえながらアセスメントを実施し、困難な作業は治具を活用して支援した事例となります。

パン作りで「できていること」はあるのだが、自信を持てない利用者様の事例を紹介します。

  • B様(20代・女性)
  • 精神保健福祉手帳2級
  • 自閉症スペクトラム

事例を詳しく見る

―課題―

  • パン作りは100点をとらないと自分ではできたことにならない、100点でなかったら0点と変わらないといった二極思考のクセがある。
  • 一般就労したい気持ちはあるけど、いざ行動しようと思っても、次のステップに進む勇気がない。

―支援内容―

【自信を見える化して、「できている」と実感できるように支援する】

「パン作りをしていて、自分のパンに対して100点はつけられないし、それってやっぱり0点ということだと考えてしまう。」というのが、B様の本音でした。B様は、生活の全ての面において、その考え方にとらわれていたため、パン作り以外のことについても、自分に自信を持てないままでした。

ある支援員の提案により、パン作りの各項目別の作業目標達成度を尺度で表現してみる取り組みを開始しました。そして、100点をとれなくても、80点であっても合格点だと思えるように、自分の物事の捉え方や気分を振り返る時間と、作業終了後に①自己評価➁「できたこと」③「できなかったこと」④「できそうなこと」を整理するフレームワークの時間も取り入れました。B様が今まで自分の頭の中でぼんやり考えていたことを紙に書き出すことによって、視覚的にとらえることが可能になり、B様は自分の考えていることの整理ができてきました。自分の作業について、客観的に確認してみると「できていること」も沢山あって、「できそうなこと」も探すことができました。

 

「できそうなこと」について段階的に課題を設定することで、次回作業時にその課題を意識して取り組むことができました。例えば、パン作りでは生地伸ばし、包み方、成型という工程では、その工程毎に「できそうなこと」を意識して取り組んだ結果、作業目標達成度は90点となり、B様の自信は少しづつついていきました。

 

【考え方の切り替えが職場体験の場でも維持できるかを確認】

「フレームワークを活用しながら作業を細分化して評価することによって、自分はできていると分かってきた。」「自信もついてきたから、いままで躊躇していた一般就労を目指してみたい。」との声がB様から上がりました。その言葉を受け、半年間で行政・民間企業2社で職場体験を経験してもらいました。職場体験でも、できている自分に着目できるようになっていました。

 

これらの支援を通じてB様は、考え方を切り替えたことで、『自分らしさ』を発揮し『自信』をもつことができるようになり、B様の希望する菓子工場への一般就労が決定しました。

自閉症スペクトラムの方は目でみることのできない「言葉」や「時間」などの理解が難しいと言われています。フレームワークを活用して見えないものを整理して、かつ視覚優位と言われている障害特性に合わせた事例を紹介しました。

 

1日の流れ

エスプリの利用者様の過ごし方を大まかにお伝えします。

早番
7:40 開場(施錠しているため、7:40前に来ていても入れません )
7:50 準備(ロッカーに貴重品保管、作業着に着替え身だしなみを整えます)
7:55 タイムカード
8:00 作業の時間(15分の休憩が 1 回あります)作業の種類はこちら
10:00 朝礼(遅番の方と朝礼参加します。その日の作業内容、流れについてご説明します。)
10:05 作業の時間(15分の休憩が 1 回あります)作業の種類はこちら
11:45 終礼
11:50 昼食
通常
9:00 開場(施錠しているため、9:00前に来ていても入れません )
9:30 準備(ロッカーに貴重品保管、作業着に着替え身だしなみを整えます)
9:45 タイムカード
10:00 朝礼(その日の作業内容、流れについてご説明します。)
10:05 作業の時間(15分の休憩が 1 回あります)作業の種類はこちら
11:30 昼食
12:30 作業の時間(15分の休憩が 1 回あります)作業の種類はこちら
15:00 終礼